新卒新入社員で会社に入ったものの、半年や一年の短期間で転職する際、退職理由を聞かれてどうこたえるかには悩みますね。良くある理由と、面接でどのように回答すればいいのか、注意点をまとめてみました。
新卒新入社員が短期で転職するケースは結構多い
新卒で初めての社会人生活、希望した企業に入ることができた人も、そうでなかった場合も、3か月、半年、1年程度で転職を考える新入社員は多いです。
大手の転職エージェントの調べでは、約6割が初めて入社した会社に不満を持ち、転職を考えるといいます。
しかし、多くの場合、新卒入社から3年以内の退職は、家族や先輩から反対されることになります。
日本という労働市場では、3年以内での退職経験はマイナス要素としてとらえられることがほとんどだからです。
また、採用する側も、短期で離職した新卒者に対しては、「うちの会社に入っても、またすぐに辞めてしまうのではないか」「根気がないだけではないか」という印象を抱きがちです。
そのため、書類選考の段階で足切りに会う可能性がどうしても出てきてしまうのです。
石の上にも3年と言いますが、今の会社で吸収できることをすべてやり、経験を足がかりに、次のステップとしての転職をすることを勧められます。
しかし、すべてのケースがそうとは限りません。
どんなに新入社員としての勤務が短期であっても、辞めたほうがいい場合があります。
・明らかに心身に変調が起きている場合 です。
もし、一度でも本気で自殺を考えたような場合は、転職が有効でしょう。
朝起きれない状況が続く、通勤途中に吐き気がする、めまい、過労などの場合は、一旦今の会社に相談して、仕事を休む方向で調整してみましょう。
まずは、現状の問題点を上司に相談します。その上で、会社に改善を請求します。
・配置転換を希望する
・心療内科や産業医のカウンセリングを受ける
・出勤日数や勤務時間を減らしてもらう
・期間を定めて休職する
といった方法がとれます。
そのうえで仕事の継続が難しいと思うなら、退職をするほうが良いです。
新卒新入社員が転職する際の退職理由で多いのは人間関係
上記のように、心身を病んでしまうまでになっていない状況の場合は、冷静に考える必要があります。
新卒が転職するときの理由で良く出てくるのは、
・会社の将来性が見えない
・上司と人間関係がうまくいかない
・配属先が希望と違う
・仕事内容がイメージとちがう
・給料が安い
・社内でのキャリアが見えない
・仕事がおもしろくない
・社会に貢献する仕事がしたい
といったことです。
実際問題、退職理由のNo1は「会社の人間関係」がダントツに多いといいます。
人間関係は自分一人ではどうにもならない部分が大きいため、環境を変えてしまいたいという考えに陥りがちです。
また、どんな職場でもどんな人と働くかは重要で、やる気を引き出すのが上手な先輩にあたることもあれば、相性の悪い人に当たる可能性もあります。
意識が高い上司に当たることもあれば、仕事をしないお荷物社員があなたの上に付くこともあり、新入社員が割りを食うことも大いにあります。
しかし、日本にはちょうど都合のよい、人事異動という制度がありますから、もしかしたら嫌な上司や同僚も、来年にはいなくなっている可能性もあるのです。もちろんあなたが異動になり、ガラリと人間関係が変わることもあります。
有能な上司の指導で、仕事のおもしろさが180度変わり、社内キャリアが開けるということもざらにあります。
仕事は「人」で決まる部分が大きいです。
本来、社内キャリアは与えられるものではなく、自分で作るものと考えるべきです。
希望の部署に配属になるには、社内でどんな仕事の成果を上げればいいのか、配置転換の制度はどのようなものがあるのか、自分の人事権を持っているのはどの上司か、上司にどういう成果をアピールすれば希望の仕事への道が開けるか・・・。
不本意な部署に配属されたとしても、一度は社内でできる努力をしておくべきです。
ですので、退職を決断する際には以下のポイントを調べ、考えておきましょう。
★自分の仕事や態度に問題がないか
★人間関係が良ければ仕事(今の仕事・将来の希望)はできるか
★同期の仕事ぶりと自分を比べてどうか
★人事異動の頻度、希望を出す機会があるか
すぐに退職、転職を決断するのではなく、よく考えてからにする必要があります。一度客観的に、考えてみましょう。
そして、最低いつまで頑張るかを明確に設定して仕事に取り組んでみて、それでも駄目なら退職・転職を考えましょう。
試してみる価値はあります。
新卒の退職理由を面接で言うときの注意点
さて、体調面や人間関係、希望もろもろが全く合わず、退職、転職に踏み切る場合、
当然のことながら、転職活動中に、今の会社の退職理由を聞かれることになります。
もし、退職理由が 単に人間関係だけだった場合など、どのように答えればいいのでしょうか。
嘘をつくまで行かなくても、ごまかして切り抜ける方法もありますが、
相手の会社の面接官も、短期離職の理由をごまかしてくる人間がいることぐらいは予想していますし、疑ってきます。
そうであれば、シンプルに、
「辞職してから気がついたが、恵まれた環境だった。自分の見通しが悪かった。」
「理想と現実のギャップに耐えきれなかった。就職する際の会社研究が甘かった」
と反省する姿勢を見せ、
・これから働く上で、短期で辞めないように、何に注意するか
・長く働きたいという意志
を述べたほうが、却って反省できる人材であることをアピールでき、プラスになることがあります。
そのうえで、志望動機で、新しい会社で何をしていきたいかをはっきりとアピールできれば
マイナスを埋めることも可能でしょう。
新卒が短期で退職して転職する場合のの最大のデメリットは「こいつは入ってもすぐに辞める」と思われてしまうことです。
そう思われないような面接対策をしておきましょう。
また、退職理由として、会社側の条件が提示された物と違ったり、常識の範囲を超えた激務だった場合、
(いわゆる、ブラック企業だった場合)
そうだったとしても、安易に会社を批判することは避けなくてはなりません。
正直に話すのは問題ないのですが、
業界が同じで、ブラックぶりが相当有名でない限り、面接でいくら前の会社が忙しかったと主張しても、
「こいつは入ってもすぐに下積み段階で音をあげるんじゃないか?」
と思われてしまうことがあるのです。
これを回避するには、激務、ブラック企業の程度を、具体的に伝えることです。
「二日目の出勤から15時間以上の勤務時間が続きました。」
「月に100時間以上の残業があり、過労でめまいを起こしました。それも私一人ではなく、離職率が高い職場でした。」
「土日出勤が毎月続き、○○人で△△だけの業務をこなしていました。人の補てんもなく、休日にスキルアップの勉強をする暇もありませんでした」
など、明確に伝えましょう。
そうすれば、面接を受ける企業が、それ以上のブラック企業であれば、採用されることはないですし、
程度にもよりますが、良心的な会社であれば理解を示してくれる可能性があります。
短期で退職した理由を聞かれても、できるだけネガティブなことは言わないことです。
上記に加え、前向きに、「今の業界でわずか一年だがこういうスキルや前向きな姿勢を身につけることができた」とアピールしましょう。
その他の理由であれば、
自分にはどうすることもできない理由だったことをきちんと説明できるようにしましょう。
・家庭の事情で、やむなく一旦仕事を辞めることになった。
・配属の事情で、どうしても○○職希望をしていたのに、営業になってしまった。職種転換制度もなく、何年勤務しても異動ができないことが分かった。
・会社の経営方針により、希望していた事業が縮小、売却となった。
などがあげられます。
会社内で努力したが、叶わず、止むをえなかったことを具体的に伝えましょう。
まとめ
新卒で入社した企業に残らず、第二新卒として転職するケースは最近多くなっています。
採用する側が積極的なケースも多いですが、
短期離職者へのネガティブなイメージはきちんと面接で説明、切り返しができるようにしておきましょう。
ちなみに、
中途採用を企業が増やすシーズンは、1月~3月と7月~10月です。
決算の前に企業が採用を考えるので求人が増えます。できれば1月~3月を狙うとやりやすいでしょう。
新たな人生に向けて、がんばってくださいね!